出来事

私の元を旅立った、坊やとの物語。

私には坊やと呼んでいる息子がいる。旅立ったとは言っても、亡くなったという意味ではない。生きているか死んでいるかは分からないが、本当に旅に出たのだ。そしてきっと、永遠に戻らないだろう。

その息子とは、実は猫のことだ。1歳のオス猫で、本当の息子のように愛情込めて育ててきた。夜中走り回ったり、手加減なしで引っ掻いたり、とにかくやんちゃ坊主だった。そして食いしん坊。そんな元気いっぱいの坊やも、1度病気をして死にかけたことがある。その時は悲しみでいっぱいで、本当につらかった。なんとか元気を取り戻したときはあまりの嬉しさに泣いた。

そして今は、坊やはいない。春を前にして、私の元から旅立ってしまった。自由への旅立ち。私はただ、坊やと過ごした1年の思い出を胸に、坊やの幸せを祈りながらこれからも生きていく。